就労継続支援B型とは?制度の概要・メリット、事業所の選び方まで徹底解説
就労継続支援B型は、障がいや難病があり、一般企業などで働くのが困難な方を対象に、就労の機会や生産活動の場を提供する福祉サービスです。生産活動を通じて工賃を得ながら、安心して過ごせる居場所にもなります。
本記事では、就労継続支援B型の概要やメリット、自分に合った事業所の選び方を解説します。制度の利用を検討している方は、参考にしてください。
就労継続支援B型とは
就労継続支援B型は、利用者の状態に応じて無理なく自立を目指せます。ここでは、就労継続支援B型について詳しく解説します。
制度の目的
就労継続支援A型・就労移行支援との違い
それぞれ見ていきましょう。
制度の目的
就労継続支援B型は、障害者総合支援法にもとづいた障がい福祉サービスです。通常の企業に雇用されることが難しい方に対し、働く機会やスキルアップの場の提供が目的です。
利用者は雇用契約ではなく、作業に従事することで工賃を受け取る仕組みとなっています。
制度の特徴は、利用期間に制限がなく、年齢や体調などに応じて柔軟に働き方を調整できる点です。生活リズムの安定や社会参加、自信の回復を促すだけでなく、将来的な就職や社会的自立の土台を築く支援も行われています。
厚生労働省によると、2022年3月時点で13,117の就労継続支援B型事業所が存在し、多くの方が制度を利用しています。
参考:厚生労働省|障害者の就労支援について
就労継続支援A型・就労移行支援との違い
就労継続支援B型とA型、就労移行支援は、対象者や目的が異なります。
就労継続支援A型は、支援があれば雇用契約を結んで働ける方が対象です。事業者と雇用契約を結び、最低賃金を保障される点が、就労継続支援B型との違いです。
一方、就労移行支援は、一般就労を目指す方が対象となっています。就職に必要なスキル訓練や就職活動のサポートが中心となり、原則として工賃は発生しません。
就労継続支援B型の利用期間に制限はありません。しかし、就労移行支援は原則2年間という点に違いがあります。
就労継続支援B型事業所の対象者
就労継続支援B型は、誰でも利用できるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。ここでは、制度の対象者について詳しく解説します。
対象者の条件
障がいの種類
障害者手帳は必須?
制度利用を検討する際の参考にしてください。
対象者の条件
就労継続支援B型を利用できるのは、障がいや難病があり、一般就労が難しいと判断された方です。具体的には、下記のいずれかに該当する必要があります。
就労経験があるが、年齢や体力的な理由で一般企業に雇用されるのが困難となった方
50歳以上、または障害基礎年金1級を受給している方
上記に当てはまらない場合でも、就労移行支援事業所などによるアセスメントを受け、就労に課題があると判断された方
アセスメントとは、本人の体調や能力、働く意欲などを把握するための評価です。専門職による面談や模擬作業などを通じて、実施されます。
特別支援学校在学中の学生が、卒業後に就労継続支援B型を希望する場合も、事前に就労アセスメントが必要です。まずは市区町村の障がい福祉窓口に相談しましょう。
障がいの種類
種類 |
詳細 |
身体障がい |
肢体不自由・視覚障がい・聴覚障がい・内臓疾患など |
知的障がい |
軽度~重度まで、療育手帳の有無を問わず |
精神障がい・発達障がい |
統合失調症・うつ病・てんかん・ADHD・自閉スペクトラム症など |
難病など |
パーキンソン病・潰瘍性大腸炎・筋ジストロフィー |
2025年7月からは、障害者総合支援法の対象になる難病等の対象疾病が376種類に拡大されており、より多くの疾患を抱える方に対応可能です。対象の方は、身体障害者手帳を持っていなくても、条件を満たせば障がい福祉サービスなどを利用できます。
自分の状況が対象となるか不明な場合は、専門機関に相談してみましょう。
参考:厚生労働省|障害者総合支援法の対象となる難病が追加されます
障害者手帳は必須?
就労継続支援B型の利用には、必ずしも障害者手帳が必要ではありません。
障害者手帳がなくても、医師の診断書や自立支援医療受給者証などによって、障がい・疾病が確認されれば「障害福祉サービス受給者証 」の発行が可能です。
受給者証があれば、就労継続支援B型事業所を含む障がい福祉サービスを利用できます。ただし、受給要件や必要書類は自治体ごとに異なる場合があるため、申請前に市区町村の障がい福祉窓口に相談しましょう。
精神的な症状や発達特性など、外からは見えにくい障がいであっても、診断を受けることで支援を受けられる可能性があります。
就労継続支援B型の作業内容
就労継続支援B型では、利用者の障がいや体調に配慮した作業が多く用意されています。おもな作業内容は、下記のとおりです。
軽作業
食品関連の作業
清掃関連の作業
農業関連の作業
その他の作業
詳しく解説します。
軽作業
軽作業は、就労継続支援B型の代表的な業務です。スキルや経験がなくても、はじめやすい作業が多く含まれます。
具体的な作業内容は、下記のとおりです。
商品の仕分け
封入・袋詰め
パッケージの組み立て
簡単な組み立てや分解作業
郵便物の封入・発送
事業所内での作業が中心となるため、気温や天候の影響を受けにくく、一定の環境で安定して働けます。ただし、単純作業が多い反面、工賃は低めになりやすい傾向があります。
体力や集中力に不安のある方や黙々と取り組むのが得意な方に向いている作業です。
食品関連の作業
食品関連の作業は、全国のB型事業所でもとくに多く取り入れられている業務です。
おもな作業内容は、下記のとおりです。
パンやクッキーなどの焼き菓子の製造
弁当の盛り付け
食品の袋詰めや仕分け
配達・販売
工程が明確で、マニュアル化しやすい作業が中心となっています。調理や加工だけでなく、飲食店やカフェを併設している事業所では、接客やレジ対応などの業務も含まれることもあります。
黙々と作業したい方から、対人関係のスキルを身につけたい方まで、幅広い希望に対応しやすいのが特徴です。接客業務が含まれる場合は、高めの工賃が期待できます。
清掃関連の作業
清掃関連では、宿泊施設や公共施設、オフィスなどで下記の作業に携わります。
室内清掃
駐車場や花壇の草取り
洗車業務
企業や団体と契約して施設外で就労するスタイルも多く、体を動かす作業が中心です。
清掃業務は、達成感を得やすく、丁寧に作業を続けることで感謝される機会も多いのが特徴です。そのため、利用者の自信にもつながりやすいメリットがあります。
また、スキルが身につけば、一般就労への移行にもつながる可能性があります。工賃水準が高めなのも魅力です。
ただし、体力的な負担が気になる方は、事前に作業内容の確認をしましょう。
農業関連の作業
農業関連では、地域の農家や事業所が所有する畑で、下記のような作業を行います。
土作り
種まき
収穫
選別・出荷準備
自然の中で作業をするため、季節の移ろいや植物の成長を感じられるのが魅力です。また、地域との交流や社会参加の機会が多く、自分が育てた野菜を販売する達成感も得られます。
体を動かす作業が中心で、天候に左右されやすい面もありますが、屋内作業が苦手な方・手を動かすのが得意な方には向いています。販路拡大や地域密着型の活動を行っている事業所では、やりがいを感じやすい分野です。
その他の作業
上記以外にも、就労継続支援B型事業所では、さまざまな作業が提供されています。具体的な内容は、下記のとおりです。
印刷業務:チラシやはがきの印刷・封入、宛名シール貼りなど
パソコン作業:データ入力・画像編集・書類作成など
ハンドメイド雑貨の制作・販売
名刺・パンフレットのデザイン
資源の選別作業
在宅作業やテレワークに対応している事業所もあり、自宅での作業が可能な場合もあります。得意分野を生かして働きたい方や、新しいスキルを身につけたい方は、自分の希望や特性に合った事業所を選びましょう。
就労継続支援B型の工賃・勤務時間
就労継続支援B型では、雇用契約を結ばずに働くスタイルのため、報酬は給料ではなく工賃として支払われます。最低賃金が保証される一般的な就労とは異なる点が多く、事前に工賃の仕組みや勤務時間の柔軟さを把握しておきましょう。
全国平均の工賃
給料との違い
給料との違い
詳しく解説します。
参考:厚生労働省|令和5年度工賃(賃金)の実績について
参考:厚生労働省|障害者の利用者負担
サービスに関係なく、負担上限月額を超える請求はありません。利用を検討している方は、住まいの市区町村の障がい福祉窓口で説明を受けましょう。
全国平均の工賃
厚生労働省の調査によると、就労継続支援B型事業所の令和5年度の全国平均工賃は、月額23,053円です。地域や作業内容、勤務時間によって工賃は異なります。
一部の地域の平均工賃は、下表のとおりです。
都道府県 |
平均工賃 |
北海道 |
26,675円 |
青森県 |
20,979円 |
徳島県 |
29,312円 |
鳥取県 |
27,345円 |
東京都 |
23,534円 |
大阪府 |
18,176円 |
参考:厚生労働省|令和5年度工賃(賃金)の実績について
たとえば徳島県では29,312円、鳥取県では27,345円と高い水準です。一方、大都市部でも工賃が全国平均を下回る地域もあります。
東京都は23,534円、大阪府は18,176円と地域差があります。工賃は事業所の生産活動による収益から支払われるため、取引先や販売力の有無によっても変動するのが特徴です。
給料との違い
就労継続支援B型の工賃は、一般的な雇用契約にもとづく給料とは根本的に異なります。給料は、労働契約を締結した従業員に対して支払われるものです。法律によって、最低賃金が保障されています。
一方、就労継続支援B型では雇用契約を結ばず、福祉サービスの一環として生産活動を行うため、最低賃金の適用外です。工賃の金額は大幅に低く、平均で月額2万円前後に留まっています。
工賃は利用者の体調や通所頻度、作業効率によっても異なります。働いた時間=収入にならない点に、注意が必要です。
勤務時間・日数
就労継続支援B型では、利用者の体調や生活スタイルに応じて、下記のように勤務時間や日数を柔軟に設定できるのが特徴です。
対象者の条件
障がいの種類
障害者手帳は必須?
事業所によっては、週1回の利用から受け入れている場合もあります。まずは無理のないペースではじめ、慣れてきたら徐々に時間や日数を増やしていくなどの相談も可能です。
自分のペースで働くことに慣れていきたい方に適しています。
就労継続支援B型の利用期間・利用料
就労継続支援B型の利用期間には上限がなく、年齢制限も設けられていません。体調や生活リズムに合わせて、週1回・1日数時間から無理なく働けて、長期的な視点で就労スキルを身につけられる環境です。
利用料は、障がい福祉サービスの一環として提供されるため、原則1割負担となります。ただし、世帯所得に応じて月額の負担上限が決められており、生活保護世帯や非課税世帯は自己負担が0円になるケースがほとんどです。
具体的な負担上限月額は、下記のとおりです。
世帯の収入状況 |
0円 |
市町村民税非課税世帯 ※3人世帯で障害基礎 年金1級受給の場合、収入がおおむね300万円以下の世帯が対象 |
0円 |
市町村民税課税世帯 (所得割16万円未満) ※収入がおおむね670万円以下の世帯が対象 ※入所施設利用者(20歳以上)・グループホーム利用者は市町村民税課税世帯の場合、負担上限月額は37,200円となる |
9,300円 |
上記以外 |
37,200円 |
就労継続支援B型を利用するメリット
就労継続支援B型を利用するメリットは、下記の6つです。
自分の体調や障がい特性に合わせて働ける
短時間・少ない日数からでもはじめられる
社会とのつながりを実感できる
同じような境遇の仲間との出会いや交流がある
工賃収入を得られる
利用期間や年齢制限がない
詳しく見ていきましょう。
自分の体調や障がい特性に合わせて働ける
就労継続支援B型では、体力に自信がない方やストレスに弱い方でも、無理なく続けられる軽作業や短時間勤務が用意されています。
作業内容も、精神的な負担が少ない単純作業から、スキルアップを目指せる業務まで幅広いのが特徴です。体調の波がある方には、急な休みや中途退所にも柔軟に受け入れている事業所も多く、心身に無理のない範囲での就労が実現できます。
自分に合った環境で、できることから少しずつ挑戦できるでしょう。
短時間・少ない日数からでもはじめられる
就労継続支援B型では、体力に自信がない方やストレスに弱い方でも、無理なく続けられる軽作業や短時間勤務が用意されています。
作業内容も、精神的な負担が少ない単純作業から、スキルアップを目指せる業務まで幅広いのが特徴です。体調の波がある方には、急な休みや中途退所にも柔軟に受け入れている事業所も多く、心身に無理のない範囲での就労が実現できます。
自分に合った環境で、できることから少しずつ挑戦できるでしょう。
短時間・少ない日数からでもはじめられる
就労継続支援B型は、週1日・1日1時間などの短時間から利用できるメリットがあります。はじめは週に数回、短時間からスタートして、体調や生活リズムに合わせて徐々に時間を延ばす働き方も可能です。
「長時間働けるか不安」、「外出する習慣から作りたい」などの悩みを抱える方でも、無理なく社会復帰の一歩を踏み出せます。事業所によっては、午前・午後どちらかのみの通所など、時間帯の希望に応じて柔軟に対応してくれる場合もあります。
就労継続支援B型は、自分のペースを大切にできる制度といえるでしょう。
社会とのつながりを実感できる
就労継続支援B型事業所での就労は、単なる作業の場ではなく、社会とのつながりを感じる大切な機会にもなります。地域の企業や団体と関わったり、商品販売を通じてお客様の声を聞いたりすると、誰かの役に立っている実感が得られるでしょう。
また、定期的に通所していくことで生活にリズムが生まれ、社会的な孤立感の解消にもつながる点も魅力です。イベントやレクリエーションを開催している事業所も多く、地域社会との交流を通じて、充実した日常を築けるでしょう。
就労を通じ、社会の一員としての自信を育めるのも、就労継続支援B型の大きなメリットといえます。
同じような境遇の仲間との出会いや交流がある
就労継続支援B型には、年齢や障がいの種類は違っても、同じように働くことに不安を感じている仲間が集まります。共通する悩みや経験を持つ仲間と出会えることで、安心感や共感が生まれ、自然とコミュニケーションが生まれるでしょう。
日々の作業を通じて仲間との交流が深まり、人間関係の経験を積めるのも、社会復帰に向けた大きなステップです。孤独を感じやすい方には、気軽に話せる相手がいる環境は精神的な支えになります。
支え合いながら働ける環境は、就労継続支援B型事業所ならではの強みです。
工賃収入を得られる
就労継続支援B型では、生産活動を行うことで工賃(報酬)を受け取れます。金額は事業所や作業内容によって異なりますが、自分で働いて収入を得る体験が、大きな達成感や自信につながります。
工賃は決して高額ではありませんが、働いた成果が目に見える形で返ってくることは、働く意味を実感するうえで大切です。
一部の事業所では、スキルアップや作業成果に応じて工賃の増額がある場合もあり、やる気の向上にもつながるでしょう。
利用期間や年齢制限がない
就労継続支援B型は、年齢や体調の変化に関わらず、必要なサポートを受けながら長く利用できるのが大きな特徴です。
一般就労を目指すにはまだ体力やスキルが足りない方や、安定した生活リズムを作りたい方には、焦らずに働ける環境は貴重です。途中で通所を中断しても、再開できる柔軟性もあります。
長期的に見ると、働く力を育てていける支援の場といえるでしょう。
就労継続支援B型を利用するデメリットと注意点
就労継続支援B型は、多くのメリットを感じられます。しかし、すべての人にとって理想的な環境とは限りません。ここでは、就労継続支援B型事業所を利用するデメリットを解説します。
工賃が低く設定されている
社会保険や雇用保険が適用されない
事業所によって環境や支援の質に差がある
利用する前に把握しておきましょう。
工賃が低く設定されている
就労継続支援B型では、最低賃金の適用がないため、一般就労と比較して大きな差があります。B型事業所の工賃だけで生活を支えるのは難しく、経済的自立を目指す方には向いていません。
就労の目的が収入ではなく、生活リズムの構築や社会参加であることを理解したうえで利用しましょう。
社会保険や雇用保険が適用されない
就労継続支援B型では雇用契約を結ばないため、原則、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険制度が適用されません。
そのため、将来的な年金受給額や失業時の保障などに不安を感じる方もいるでしょう。また、労働災害時の補償も、事業所ごとに加入している保険の内容が異なるため、事前に確認しておく必要があります。
経済的な保障を重視する方や長期的な生活設計を立てたい方は、社会保険制度が適用されるA型や一般就労との違いを理解したうえで検討しましょう。
事業所によって環境や支援の質に差がある
B型事業所は全国に多数あります。しかし、事業所ごとに支援内容や職員の対応、作業環境の質には大きな違いがあることに注意が必要です。
たとえば、丁寧な個別支援が受けられる事業所がある一方で、別の事業所では作業内容が単調だったり、サポートが手薄だったりする場合もあります。また、事業所の雰囲気や、ほかの利用者との相性も働きやすさに直結します。
入所前には見学や体験利用を行い、作業の種類や支援体制、自分との相性を見極めることが賢明です。
就労継続支援B型を利用する流れ
主治医に相談する
就労継続支援B型事業所を探す
市区町村の障がい福祉窓口で利用申請を行う
サービス等利用計画書を作成・提出する
受給者証(障害福祉サービス利用受給者証 )の交付を受ける
詳しく解説していきます。
主治医に相談する
まずは、自分の障がい特性や体調が、就労支援に適しているかを医師に確認しましょう。とくに、精神疾患や発達障がいがある場合、現在の状態や服薬状況に応じた就労アドバイスを受けられることもあります。
また、手続きにおいて医師の意見書や診断書を要するケースもあります。そのため、定期的に診察を受けている医療機関との連携がスムーズに進むようにしておきましょう。
就労継続支援B型事業所を探す
就労継続支援B型の事業所を探すためには、下記の方法があります。
インターネットでの検索
市区町村の障がい福祉窓口や相談支援事業所への相談
中には定員が満員で利用できない場合もあるため、気になる事業所が見つかったら空き状況も合わせて確認しておくと安心です。自分の希望や体調に合った事業所を選びましょう。
市区町村の障がい福祉窓口で利用申請を行う
利用したい事業所が決まったら、住まいの自治体の障がい福祉窓口で就労継続支援B型の利用申請を行います。申請の際は、担当者による簡単な聞き取り調査や、現状の確認が行われます。
手続きの目的は、就労継続支援B型の利用が本当に必要か確認するためです。必要に応じて、就労に関する課題や、支援の必要性を評価する「就労アセスメント」も実施されます。
申請後は、支援内容や利用回数などに関する調整が行われ、利用開始に向けた準備が進められます。迷ったときは、相談支援専門員や福祉職員に相談して、安心して手続きを行いましょう。
サービス等利用計画書を作成・提出する
障がい福祉サービスを利用する際には、サービス等利用計画書の提出が求められます。この計画書には、利用目的や希望する支援内容、利用スケジュールなどを記載します。
作成方法は、下記の2パターンです。
本人や家族が作成する
相談支援専門員に依頼して作成する
受給者証(障害福祉サービス利用受給者証 )の交付を受ける
すべての手続きが完了すると、自治体から障害福祉サービス受給者証(通称:受給者証)が交付されます。
この受給者証は、就労継続支援B型を正式に利用するために必要な証明書です。利用するサービス内容や、上限負担額などが記載されています。
受給者証の発行には、申請から1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。交付されたら、希望する事業所と契約を結び、利用開始となります。
受給者証は、ほかの福祉サービスを併用する際にも必要になるため、大切に保管しておきましょう。
自分に合った事業所を選ぶポイント
就労継続支援B型は、事業所ごとに作業内容や支援方針、雰囲気などが異なります。自分に合った事業所を選ぶためには、下記のポイントを確認しましょう。
作業内容
事業所の雰囲気
通いやすさ
工賃(給料)
支援体制
就職支援実績
詳しく解説します。
作業内容
B型事業所で行われる作業は、食品製造や清掃、軽作業などさまざまです。たとえば、パン製造といっても工程が分かれており、自分がどの作業に関わるのかは事業所によって異なります。
そのため、自分の体調や得意不得意を優先し、集中力が続くか・立ち仕事に耐えられるかなどを確認しましょう。事前に、見学や体験利用をすれば、自分に合った作業内容かを実際に確かめられます。
働きやすさは継続につながる重要なポイントであるため、作業内容を必ず確認しましょう。
事業所の雰囲気
事業所の雰囲気は、自分が安心して働き続けられるかに直結します。にぎやかで会話が多い職場もあれば、静かに黙々と作業を行う環境を重視しているところもあるため、自分に合った事業所を選びましょう。
また、利用者やスタッフの関係性、職員の人数や支援の手厚さなども事業所ごとに異なります。実際の雰囲気は、見学や体験をしてみないと分からない部分が多いため、可能な限り、足を運んで確認するのがおすすめです。
ホームページやSNSの投稿などでも雰囲気を把握できますが、最終的には自分の肌で感じることが、1番の判断材料になるでしょう。
通いやすさ
体調や体力に不安がある方は、通勤時間が長いことや交通の混雑が激しい時間帯はストレスになります。そのため、下記のポイントを事前に確認しましょう。
徒歩圏内で通えるか
バスや電車で無理なく移動できるか
送迎サービスがあるか
たとえば、就労継続支援B型事業所「SANPO」では、範囲内であれば、送迎サービスを提供しています。
また、近すぎると知人に会いそうで不安などの心理的な面も含め、負担の少ない通所方法を選ぶことが大切です。通いやすさは継続するうえで軽視できないポイントなので、アクセス条件も忘れずにチェックしましょう。
工賃(給料)
工賃は、事業所によって支給方法や金額に差があります。月給制・時給制・成果報酬制などがあり、仕事内容や出勤日数で金額が変動します。
また、同じ作業でも、作業の種類や役割ごとに支給額が異なる場合もあります。工賃のみで生活費をまかなうのは難しいものの、支給額の目安を知っておけば計画的に働けるでしょう。
事業所には、工賃の支払いルールや平均額を開示する義務があります。事業所を見学する際は、工賃の決め方やどのくらいもらえるか質問してみましょう。
支援体制
事業所によっては、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門資格を持つ職員が常駐している場合があり、個別面談や生活相談、就労支援などを積極的に行っています。
反対に、人員が少なく、支援が手薄になっている事業所もあります。支援体制の手厚さは、事業所ごとに異なるため、自分の特性や目標に合わせた支援をしてもらえるか確認しましょう。
また、将来的なステップアップを見据えている方は、定期面談や目標設定のフォローがあるかも重要なチェックポイントです。
就職支援実績
就職に向けた支援体制や訓練内容の充実度、企業との連携状況によって、一般企業への移行の可能性は変わります。過去にどのくらいの人がA型や一般企業に就職したのか、どのような支援があったのかなど、具体的な実績やサポート内容を事業所に聞いてみましょう。
また、履歴書の書き方や面接練習などの就労準備支援があるかも、事前に確認しておくと安心です。
就労継続支援B型を理解し、自分に合った働き方を見つけよう
就労継続支援B型は、障がいや体調に不安がある方でも、自分のペースで社会とつながりながら働ける福祉サービスです。事業所ごとに作業内容や支援体制が異なるため、見学や体験を通じて自分に合った場所を選びましょう。
さまざまな仕事にチャレンジできる環境を探している方には、製造・農業・パン製造など幅広い選択肢がある、就労継続支援B型事業所「SANPO」がおすすめです。各分野の専門的な訓練員が、あなたの目標達成や一般就労へのステップアップを丁寧にサポートします。
ぜひ一度、見学・相談にお越しください。
>>就労継続支援B型事業所「SANPO」への相談はこちら
最新記事一覧
-
2025.05.29
-
2025.05.28
-
2025.05.28
-
2025.05.27
-
2025.05.27
カテゴリー一覧