就労継続支援B型の利用までの流れを解説！申し込みから利用開始までの手順

2025.11.12

「就労継続支援B型を利用したいけど、どんな手順を踏めばいいのか不安…」「手続きが複雑だったらどうしよう」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本気では記事では、就労継続支援B型の利用を考えている方が知っておきたい利用開始までの基本的な流れや必要な書類や手続き、確認しておきたいポイントついて、わかりやすく解説しています。

就労継続支援B型の利用をスムーズに進めるためのヒントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

就労継続支援B型の利用手続き5ステップ

就労継続支援B型の利用開始までの主な流れは、主治医への相談、事業所探し、受給者証の申請、計画案の作成、契約の5段階です。
各段階で必要書類や確認事項を押さえることで、無理なくスムーズに開始できます。

以下で各ステップを具体的に説明します。

ステップ1:主治医に相談

就労継続支援B型を利用する際の最初のステップは主治医への相談です。
主治医は、あなたの体調や生活状況をよく知っている存在であり、利用が適しているかどうかを一緒に考えてくれますので、まずは相談してみましょう。

主治医の意見や診断書は、今後の手続きで必要になることが多いため、早めに話をしておくことが大切です。
特に、就労継続支援B型の利用には「医師の意見書」が必要になる場合が多いので、事前に準備しておくと手続きがスムーズに進みます。
主治医には、どんな作業ならできそうか、体調に不安がある日がどれくらいあるかなど具体的な悩みも伝えてみてください。

ステップ2:利用したい事業所を探す

就労継続支援B型を利用するためには、適した事業所を探すことが大切です。
なぜなら、事業所ごとに作業内容や雰囲気、サポート体制が異なるためです。

探し方としては、まず市区町村の福祉課や相談支援事業所に相談し、地域にある事業所の情報を集めます。
その後、各事業所のホームページを確認し、作業内容や雰囲気、利用者の声などを比較します。

気になる事業所が見つかったら、見学や体験利用を申し込みましょう。
実際に足を運ぶことで、職員の対応や利用者の様子、作業環境などを自分の目で確認できるため、納得して選ぶことができるはずです。

ステップ3:障がい福祉サービス受給者証の申請

就労継続支援B型を利用するためには、「障がい福祉サービス受給者証」の申請が不可欠です。

申請先は、お住まいの市区町村の障がい福祉窓口です。
申請時には、医師の診断書や障がい者手帳、本人確認書類などが必要になる場合が多いでしょう。

「書類が多くて不安かもしれない…」と感じる方もいるかもしれませんが、窓口で丁寧に案内してもらえるため心配はいりません。
申請後は自治体による審査や面談があり、最終的に受給者証が発行されます。
発行までに1か月ほどかかることもあるため、早めの準備が大切です。

ステップ4:サービス等利用計画案の作成

サービス等利用計画案の作成は、重要な手順です。
どのような支援を必要としているか、どんな目標を持っているかを整理し、具体的なサポート内容を明確にするための計画書です。
この計画案は市区町村の担当窓口や相談支援専門員が一緒に作成をサポートしてくれるため、難しく考える必要はありません。

計画案には、現在の生活状況や困っていること、今後の希望、利用したいサービス内容などを記載します。
この段階をしっかり行うことで、あなたに合った事業所やサービスを選びやすくなります。

ステップ5:事業所との契約と利用開始

ステップ5では事業所との契約を結び、いよいよ就労継続支援B型の利用が始まります。
契約時には、事業所のスタッフから利用規約や作業内容、利用日数、工賃（作業の対価として支払われるお金）の支払い方法など、具体的な説明があります。
疑問点や不安があれば、遠慮せずその場で質問しましょう。
また、契約書にはサインや印鑑が必要な場合が多いので、事前に確認しておくと安心です。

契約が完了したら、決められた日から利用を開始できます。
最初は緊張するかもしれませんが、スタッフがサポートしてくれるため、一歩ずつ慣れていくことが大切です。

就労継続支援B型事業所とは何か？

就労継続支援B型事業所は、一般就労が難しい方に作業機会と支援を提供し、無理なく社会参加を進める場です。
通所回数や作業時間を柔軟に調整でき、軽作業や清掃、農作業などから選択可能です。

ここから就労継続支援B型の基本や対象者の特徴については、以下で詳しく解説していきます。

就労継続支援B型の基本概念

就労継続支援B型は、障がいや体調の不安があっても自分のペースで働くことができる福祉サービスです。

最大の特徴は、雇用契約を結ばず、通所回数や作業時間が柔軟に選べる点にあります。
例えば週に数回だけ通う、短時間作業を選ぶなど、体調や生活リズムに合わせて調整できるのが魅力です。

また、作業内容も軽作業や手工芸、農作業など多種多様で、自分に合った仕事を見つけやすいでしょう。
福祉サービスの一環として、スタッフが日常生活や仕事の悩みにも寄り添いサポートしてくれるため、安心して利用できる環境が整っています。

関連記事：就労継続支援B型とは？制度の概要・メリット、事業所の選び方まで徹底解説

対象となる利用者の特徴

就労継続支援B型の利用対象となるのは、一般企業で働くことが難しい方や、障がいや体調の面で配慮が必要な方です。
具体的には、精神障がい・知的障がい・発達障がい・身体障がいなど、さまざまな障がいを持つ方が対象になります。

体調に波があり、毎日決まった時間に働くことが難しい方や、就職に向けて少しずつステップアップしたい方にも適しています。
どんな方が対象になるのかを知ることで、自分の状況に合った支援が受けられるかどうか判断しやすくなります。

関連記事：就労継続支援B型はどんな人が利用できる？利用条件や対象者を解説

障がい者手帳なしで利用できるのか？

障がい者手帳がなくても、医師の診断書や意見書で障がいが確認されれば、市区町村の判断で利用できる場合があります。
手帳がないからと諦める必要はありません。

うつ病や発達障がいなど、治療や支援を継続している方でも、医師の意見をもとに対象となることがあります。
申請時は主治医に相談し、必要な書類をそろえることが大切です。自治体の窓口に相談すれば、申請手順や書類の内容を案内してもらえるため安心です。

まずは「手帳がなくても利用できる可能性がある」と知り、早めに相談することが重要です。

発達障がい者の利用について

発達障がいのある方も、就労継続支援B型を利用できるケースは多くあります。
自閉スペクトラム症やADHDなど、特性による困難を抱えていても、事業所では個々のペースに合わせた作業や支援が整っており、安心して取り組めます。「一般就労が難しい」「コミュニケーションに不安がある」と感じている方にとって、社会参加の第一歩となるでしょう。

利用には医師の意見書や受給者証が必要ですが、自治体によって柔軟な判断が行われることもあります。
発達障がいの方でも、自分らしい働き方を見つけられる環境が整っているのが大きな特徴です。

他の就労支援サービスとの違い

就労継続支援B型は雇用契約を結ばず、体調や生活リズムに合わせて通所日数や時間を柔軟に設定できる点が特徴です。
一方でA型は雇用契約を結び最低賃金が保障され、一般就労に近い働き方が求められます。
また、就労移行支援は、一般企業への就職を目指して最長2年間訓練を行う制度です。

B型は無理なく長く働きたい人、A型は安定した労働環境を求める人、移行支援は就職準備を進めたい人に適しています。
目的や状況に応じて制度を選ぶことが重要です。

就労継続支援B型の利用料金と期間

就労継続支援B型の利用料金や利用可能な期間は、サービスを検討する際に多くの方が気になるポイントです。
経済的な負担や利用できる期間が明確であれば、安心してサービスを利用しやすくなります。

就労継続支援B型の利用料金は世帯収入に応じた上限設定があり、多くの方が無料または低額で利用できます。
期間は原則上限がなく、状態や目標に合わせて長期的な支援が可能です。

具体的な利用料金の目安や、どのくらいの期間利用できるのかについては、次の項目で詳しくご紹介します。

利用料金の目安

就労継続支援B型の利用料金は、低額に抑えれるケースがあります。
それは、国や自治体がサービス費用の大部分を負担しているため、利用者の経済的な負担が軽減されているからです。

世帯収入によっては月額上限額が設定されており、たとえば「生活保護世帯」や「市町村民税非課税世帯」の場合は自己負担が0円となります。
一方で「市町村民税課税世帯」の場合は、月額上限が4,600円や9,300円などとなることもあります。
なお、食事代や送迎費などは別途実費がかかる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

関連記事：就労継続支援B型事業所の利用料は？ほかに必要な費用は？

利用可能な期間

就労継続支援B型の利用可能な期間は、原則として特に上限が設けられていないことが大きな特徴です。
利用者の状態や希望、生活環境に応じて長期間の利用が認められています。
なぜなら、就労に向けての準備や生活リズムの安定を目的としており、個人差が大きいため一律の期間制限が合わないためです。

ただし、定期的な支援計画の見直しが行われ、利用継続の必要性が確認されます。
支援者や市町村の担当者と相談しながら安心して利用できるでしょう。

就労継続支援B型事業所の選び方

就労継続支援B型事業所を選ぶ際は、自分に合った環境や条件をしっかり見極めることが大切です。
仮に合わない事業所を選んでしまうと、通所の継続が難しくなったり、思うようなスキルアップや社会参加につながりにくい場合もあります。

一方で条件が合えば安心して通いやすくなり、継続やスキルアップにもつながります。
以下で具体的な選び方を解説します。

仕事内容や作業内容で選ぶ

事業所ごとに作業内容は異なり、軽作業や内職、PC作業、農作業、手工芸、飲食補助など幅広く用意されています。
体力に自信がない人には座ってできる仕事が、手先を使うのが得意な人には組み立てや工芸が向いています。

実際に見学や体験をすると「思ったより負担が少ない」と感じられることも多いでしょう。
自分の得意・不得意や将来の希望をスタッフに伝えることで、より合った環境を選びやすくなります。

仕事内容を具体的に確認し、自分に適した事業所を選ぶことが、無理なく続けるための重要なポイントです。

関連記事：就労継続支援B型の仕事内容とは？事業所の選び方も解説

アクセスや立地条件を確認

自宅から事業所までの距離や通いやすさが継続して利用する上で大きな影響を与えるため、アクセスや立地条件の確認は非常に重要なポイントです。

公共交通機関の利用が必要な場合は、乗り換え回数や本数、最寄り駅やバス停から事業所までの道のりも調べておくと安心です。
また、悪天候の日や体調が優れないときでも無理なく通えるかどうかも考慮する必要があります。
それに加えて近くにコンビニやスーパー、病院などがあると、急な用事にも対応できて便利です。

事業所によっては送迎サービスを行っている場合もあるため、利用希望があれば事前に確認しましょう。

工賃や賃金を比較

就労継続支援B型事業所の工賃は、全国平均で月額1万6,000円前後ですが、地域や事業所によっては5,000円未満のところや、2万円を超える場合もあります。
「本当に生活の足しになるのだろうか…」と不安に思う方もいるでしょう。
見学時には、具体的な工賃の計算方法や支払いのタイミング、作業内容と工賃の関係についても質問してみましょう。

また、工賃だけでなく、作業のしやすさや自分の体調に合うかも大切なポイントです。
事業所選びでは、金額面と働きやすさの両方をバランスよく考えることが後悔しないコツとなります。

関連記事：就労継続支援B型の工賃とは？平均工賃額や工賃が高い事業所を解説

事業所の雰囲気や評判をチェック

雰囲気や評判は、安心して長く通うための重要な判断材料です。
パンフレットだけでは分からない点も多いため、見学や体験を通じて職員の対応や利用者の雰囲気を直接確認するとよいでしょう。

また、インターネットの口コミや利用経験者の声も参考になります。
特にスタッフのサポート体制やトラブル対応、工賃の支払い状況などは要チェックです。

事業所によっては外部から見えにくい課題がある場合もあるため、複数の情報源から比較することが安心につながります。
雰囲気をしっかり把握することで、自分に合った環境を選びやすくなります。

就労継続支援b型利用までの流れと安心のポイント

就労継続支援B型は、雇用契約に縛られず自分の体調や生活リズムに合わせて作業できる柔軟な福祉サービスです。
利用にあたっては「主治医に相談」「事業所探し」「受給者証の申請」「計画案作成」「契約」の5つのステップを踏むことを覚えておくとよいでしょう。

利用料金は世帯収入に応じて上限があり、国や自治体が一部を負担してくれているため低額で利用できます。
さらに基本的には期間に制限がなく、安心して長期的に活用可能です。

事業所の仕事内容や雰囲気、アクセス条件などを確認し、自分に合った環境を選ぶことが成功の鍵となります。

株式会社SANPOでは、愛知県西尾市の就労継続支援B型事業所SANPOを運営しています。
利用をご検討の方には、見学から利用開始までの流れを丁寧にご案内し、一人ひとりに合ったペースでの就労をサポート。
安心して通える環境づくりを大切にしています。
ご相談やお問い合わせはお気軽にどうぞ。

監修者

小林　啓輔

株式会社SANPO 顧問

＜資格＞
・サービス管理責任者研修修了
・社会福祉主事

＜略歴＞
福祉系大学卒業後、在宅介護支援センター（現包括支援センター）等の相談員業務に従事し、特別養護老人ホームの指定申請や人事関係に関与。その後有料老人ホームの施設長など高齢者福祉に携わり、その後サービス管理責任者として就労継続支援事業所やグループホームに従事。

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